第82回春の選抜高校野球大会にて沖縄県代表興南高校が見事初優勝しました。決勝戦は、まさに球史に残る試合となりました。本当に大きな感動を与えてくれた興南ナインには感謝の気持ちで一杯です!大会前から、ピッチャーの島袋君は注目を集めており、他校の優勝候補が次々に消えていく中、興南ナインは真の強豪と言える強さで決勝まで勝ち抜いてきました。今大会は雨による順延が多かったのですが、全て興南にとって恵の雨だったのではないでしょうか。去年の選抜では、島袋君の好投虚しく一回戦敗退となりました。今回その悔しさを見事力に変え、沖縄に選抜大会三度目の優勝旗を持って帰って来てくれました。興南フィーバーに沖縄中が包まれ、街からは人や車がいなくなり、県民全員が興南に声援を送りました。そんな興南フィーバーの最中、甲子園球場内に開館した甲子園歴史館の一角に、沖縄県勢の活躍を紹介する展示品や放映があり、県内外の高校野球ファンを楽しませている様です。高校野球だけでなく甲子園球場を本拠地とするプロ野球阪神タイガースが繰り広げた名試合を後世に引き継ごうと設立された同館では、開催中の選抜大会の企画展も同時に開かれており、史上初の県勢2校出場を果たした嘉手納と興南の活躍も甲子園の歴史の1ページに刻まれそうです。また、館内の「コレクションギャラリー」の一角には、沖縄が米軍統治下であった1946年に開催された第28回全国中等学校野球大会沖縄大会の漆器製トロフィーをはじめ、1958年に初出場した首里高校の仲宗根弘主将が、甲子園の土を持ち帰るため使用した鞄(鞄の中の土は、米軍の統治下だったために沖縄に持ち込む事が許可されず、船上から海へ捨てた)、2年連続準優勝を果たした沖縄水産高のエース大野倫投手のグラブ、故・栽弘義監督のユニホームなどが展示されています。たとえ県勢ではなくとも、高校球児が一生懸命白球を追いかけ土まみれになり、悔し泣きや嬉し泣きをしている姿を見ていると、自分自身が忘れている何かを奮い立たせてくれます。人間は大人になればなるほど、若い頃の覇気が消え夢中になれるものが無くなります。甲子園ファンが多い理由は、彼らは私たちに無い情熱を持ち、そしてその姿がとても輝いているからだと思います。次に目指すは、沖縄県勢初の夏の甲子園制覇。夏に強い沖縄と言われていますが、未だ夏の大会を制した事はありません。それを興南ナインは成し遂げてくれると信じています。いざ、沖縄勢念願の夏制覇へ。そして、夢の春夏連覇へ。 調査員S