今年も、夏の甲子園が開幕しました。沖縄県を代表する高校は春の選抜王者である興南高校です。左腕島袋君と大技小技で繋ぐ打線で優勝を果たした春よりも、更に「成長した」興南高校が夏の甲子園で旋風を巻き起こす事でしょう。夏の県予選大会も順調に勝ち進み、見事沖縄代表の切符を掴んだ彼らですが、それは決して簡単なものではなかったはずです。相当量の練習は、当たり前の事ですが、何よりも「精神的成長」があったからこそだと言えます。春の甲子園を制した彼らは、テレビや新聞・雑誌などに取り上げられ一躍有名となり何処へ行ってもヒーロー扱いを受けるようになりました。興南高校野球部には、我喜屋監督が決めた鉄則がありました。それは「自分の事は自分でやる。」という単純なルールです。ところが、一躍ヒーローになり有頂天になっていた彼らは、後輩部員にマッサージをさせたり遣いを頼んだりと、監督が決めたこのルールを破ってしまったそうです。それを知った我喜屋監督は、夏の県予選大会直前にも関わらず島袋君を含むレギュラーメンバー6人に、無期限謹慎処分を与えました。謹慎中、島袋君はボールに触る事も許されず、ただ奉仕活動の日々を送ったそうです。後日、島袋君は「謹慎を受けた事で、野球ができない事の辛さや周囲の人達に支えられている事を思い知らされた。そして、今一度自分の弱い部分を見つめ直し精神的に成長する事が出来た。」と語っていました。夏の甲子園本番を前に、技術面もそして精神面でも「成長」した興南ナイン。必ずや沖縄県勢初となる「夏の甲子園優勝」そして、甲子園史上6校目となる「春夏連覇」を成し遂げてくれることでしょう。 調査員S