先日、中学時代の友人の女性がめでたく結婚と言う事で披露宴が行われたので出席してきました。同席したのは勿論、皆同級生。懐かしい顔ぶれが揃ったなと思っていると、一人遅れてやってきた見知らぬ小柄な男が同じテーブルに着席しました。すると私に「久しぶり」と声をかけてきました。誰か分からなかった私でしたが、思い出せないまま「久しぶり」と返事をしました。しばらくして、別の友人女性が男の名前を呼んだ時、ハッと気付いたのです。実は彼は、男ではなく女の友人だったのです。見た目も性別も男になった女友達でした。
皆さんは性同一性障害という障害を聞いた事がありますか。生物学的に言うと、男女のどちらか一方の身体を持つが、本人自身の体と心の性別が一致せず、自分の意志では変えられない自己意識です。目に見えない障害という事もあり、なかなか家族や友人にも相談できず社会の対応もとても冷ややかなもので、偏見や差別を受ける事もあるようです。しかし、当人にとっては相当な苦しみになっているようなのです。
私の中で、彼は何とも言えない程の明るい笑顔が印象的でした。きっと彼も、周囲からの冷たい視線、親とのぶつかり合い等、誰にも相談出来ず悩んだ苦しい時期があったことでしょう。しかし今の彼は自分自身に自信を持ち今が楽しくて仕方がないといった顔をしていました。きっと、誰よりも悩み苦しみ涙を多く流した分、人より明るく笑えるのだろうなと思い、彼を少し羨ましく思いました。
今度、男同士飲みに行こうと約束を交わし別れました。初めは戸惑いましたが、男が女になろうと女が男になろうと友情には関係ないですね。むしろ男同士になった事でもっと身近になれた気がします。これからも今までに無かった男の友情を大切にしたいと思います。調査員S