最近、「アバター」という映画が、世界的な大ヒットで反響の大きさが連日報道されています。自称映画通の私は、公開初日に観てきたのですが・・・CMの宣伝文句にも使われているように、映画はついに「想像力の向こう」に来ました。現実の映像とCGの境目が全く分からず、あまりのリアルさに開始数分間は目と頭が混乱しました。しかし、徐々に映画の世界に引き込まれ、そこに自分自身がいるような感覚になりました。オープニングからラストまで飽きさせないストーリー。近年では最高の一本だと思います。映画史上もう破られる事はないであろうと言われた、あの「タイタニック」の歴代世界興行収入18億4800万ドルをあっさりと抜き、まだ尚、記録を伸ばし続けています。ただ、この「アバター」が驚異的な記録を残している要因として、3Dの同時上映が大きく影響しているのです。3Dとは、特殊なメガネをかけると映画が立体的に見えるというものです。よく、テーマパークや遊園地などでアトラクションとして使用されていますが、この3Dが大ヒットを生んでいると言っても過言ではありません。実際に、鑑賞した客の7割以上が3Dでアバターを観ています。この大ヒット作の監督は、ジェームス・キャメロン監督ですが「タイタニック」の監督も彼です。「エイリアン2」「ターミネーター2」「タイタニック」と数々の名作を世に出してきたキャメロン監督ですが今回の作品で、「映画の新時代」をみせてくれました。そんなキャメロン監督の次回作は、日本が舞台となるそうです。広島と長崎への原爆投下を題材にしたノンフィクション映画ということです。先日1月4日、広島と長崎の原爆の両方を体験し、世界で唯一「二重被爆者」として公式に認められた、山口彊(やまぐちつとむ)さんが93歳で亡くなりました。山口さんは1945年8月6日に当時出張先だった広島で一回目の原爆で被爆しました。重度の火傷を負い、重傷の体で地元の長崎に戻ります。そして9日、今度は長崎で被爆しました。山口さんは、「自分の悲惨な体験が後世の平和への教訓になればいい」と生前中ずっと語っていました。戦争の悲惨さ、原爆の恐ろしさを伝える為、アメリカに渡り各地で演説会を開催してきました。しかし、病魔に冒され、長崎の病院で闘病生活に入ります。痩せて、話す事もままならない山口さんでしたが、どうしても会っておきたかった人物がいました。キャメロン監督です。その願いが通じ、キャメロン監督が山口さんの元を訪問しました。そこで、短い会話を交わしたそうです。その会話に、山口さんは自分の願い・意思の全てを伝えました。「あなたの作品で世界を平和にして下さい。」と。その10日後、山口さんはこの世を去りました。キャメロン監督は、山口氏の意思に沿える作品を作りたい。天国の山口氏へ捧げる。と言葉を残したそうです。「映画の新時代」を造りだしたキャメロン監督。次回作では、どの様な「平和の新時代」を導き、世界の人々に伝えてくれるでしょうか。探偵調査員S