私たち探偵は、探偵調査業務の中で対象者の御親族が、自死されたとの悲しい過去を知ることがあります。
ご遺族の無念さは何年経っても消えません。自死は絶対ダメです。
今年発表された世界保健機関(WHO)による直近2016年の国別自殺者数の集計(人口10万人当たりの自殺者数)では、1位はロシアの31人、2位は韓国の26.9人、3位がラトビアの21.2人と続きます。
対象国は、データの信頼性が比較的高いと推測されるG20とOECD加盟国の全43カ国にしているそうです。
自殺率は国民の幸福度を知ることができる重要な指標でもあります。
経済的に豊かではなくても自殺率が低い国は幸福度が高いと言えるでしょう。
逆にどんなに経済力があっても自殺率が高ければ国民の幸福度は低いのだとも言えます。
日本は18.5人で全体では7位なのですが、G7の中ではトップという残念な結果になっています。
世界平均の10.6人と比べるとほぼ倍の数値です。
ちなみにアメリカは15位で15.3人、中国は32位で9.7人です。
注目すべきは、ほぼすべての国で男性の方が女性よりも自殺率が高いことです。
日本でも(男性26人女性11.4人)と二倍以上の差があります。
昔から、女子力とは他をサポートする力。男子力とは、家族のために競争社会で働く力。
などと言われていますが、競争意識の色濃い韓国(男性38.4人女性15.4人)での数字が、その事を裏付けています。
唯一中国だけ(男性9.1人女性10.3人)女性の方が高いというのも興味深い数字でした。
日本では長年にわたり、自殺者の多さが問題となってきました。特に最近では若年層の自殺者の増加が大きな社会問題になっています。
昔の武士道のような「けじめや潔さ」を尊ぶ間違った考えは持たないでほしいですね。
命にリセットやリカバリーはありません。
どんな困難でも図太く生き抜いてこそ、報われるものもあると思います。
人間も他の動物のように最後まで自然に任せて生き抜く責任があるのではないでしょうか。